帝国データバンクが発表した「医療機関の休廃業・解散動向調査」によれば、2021年に休廃業した医療機関の件数は567件にのぼり過去最多を記録。休廃業・解散の数は倒産の 17倍以上といわれています。
なかでも多いのが、クリニック(診療所)の休廃業です。(出典:医療機関の休廃業・解散動向調査(2021年) - 帝国データバンク)。
地方ではクリニック間の競争が激化し患者の取り合いになるケースも少なくないと、専門家は指摘します。今回は、クリニック経営の失敗点を取り上げながら成功させるポイントについて解説します。
そもそもクリニックとは、無床またはベッド数が19床以下の医療機関を指します。病院と比べて施設の規模、患者数、スタッフ数が少ないという点が、病院との大きな違いです。
クリニック開業後は、責任者としてスタッフのマネジメントや医療機器、薬品の管理、マーケティング戦略などクリニック運営にかかわるさまざまな業務を行います。
クリニック経営を成功させるポイントは、集患戦略を立てること。クリニックを開業したところで、患者がいなければ経営は成り立ちません。
クリニックの認知度を高めるためには、TwitterやInstagram、TikTokといったSNSツールをうまく活用したマーケティング施策が不可欠です。スタッフ紹介動画や病院内の紹介などの情報を定期的に発信することで競争優位となり、他のクリニックとの差別化を図りましょう。
集患のひとつとして有効なのが、SEO・MEO対策です。口コミやチラシといったアナログでの集患ではなく、SEO・MEO対策を行うケースが大半です。
SEO(Search Engine Optimization)とは検索エンジン最適化のこと。たとえば、 Googleで「美容クリニック 口コミ」というキーワードで検索したとします。検索画面に、複数の美容クリニックが表示され、ほとんどの方が検索画面の一番上に表示されているサイトをクリックします。表示順位が1位は13.94%、2位だと7.52%というように順位によってクリック数が異なります。
MEO(Map Engine Optimization)とは、主にGoogleマップで検索結果が上位に表示されるように施策を行うことです。代表的な対策手段として、Googleビジネスプロフィールを正確に登録することや口コミ数を増加させることが挙げられます。
自院のサイトを上位に表示させることが重要です。検索エンジンからサイトを訪れるユーザー数を増やすことが、認知度アップに役立ちます。
「患者のリピート率が低い」「施術・接客の満足度が低い」「スタッフがすぐに辞めてしまう」など、クリニック経営が失敗する要因を詳しく解説します。
クリニック経営がうまくいかない原因のひとつが、安定した集患ができていないこと。クリニック経営を支えるうえで一番重要なのが集患です。
ただ闇雲に集患するのではなく、自社ホームページやSNSを訪れるユーザーの性別や職業といった属性を分析し、ターゲットに刺さるアプローチ方法を考えましょう。ネット予約ツールやWeb接客の導入なども有効です。
クリニック経営を安定させる鍵となるのが、患者のリピート率です。クリニックを開業して間もない頃は、新規患者の割合が多いことが一般的。しかし、しばらく経つとクリニックを再受診する患者が増えていきます。
患者のリピート率を上げるためには、次回再受診の予約を取るのはもちろん、待合室の混雑を避けたりキッズルームを併設したり、ニーズに合ったアプローチでリピート率アップを目指しましょう。
患者満足度の低さも、クリニック経営に躓く原因のひとつです。診察までの待ち時間が短く済むよう順番管理システムの活用や、食事・介護について気軽に相談できる窓口の設置など、身近なところから取り組んでいきましょう。
医療業界では、慢性的な人手不足の問題を抱えています。従業員1人あたりの業務量が多く体力的な負担も大きいことから、離職者が多いのが現状です。「人事評価制度を見直す」「福利厚生を充実させる」など、スタッフが楽しく長く働き続けられる環境づくりを目指しましょう。
クリニック経営を成功させるには、患者ファーストの視点を持つことです。カードや電子マネー決済対応ができるようにしたり、初診の方には病院から一番近い処方箋薬局を案内したり、気遣いを忘れないようにしましょう。
「集患戦略に関する専門知識がない」「何からはじめればよいのかわからない」など、クリニック経営に不安がある方は、専門家の意見を取り入れてみてはいかがでしょうか。経験豊富な専門家が、クリニックのコンセプトや経営理念、目指したいカタチに合わせた戦略を提案してくれます。クリニック経営について相談してみたいという方は、お気軽にMMCコンサルティングにお問い合わせください。