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2023-07-20

【2023年最新】病院経営において気を付けるべき課題とは?対応策もセットで解説!

消費税増税や診療報酬改定による大きな打撃を受け、全国の約8割近くの病院が赤字経営に追い込まれています。2020年度 病院・診療所の経営状況(速報)によれば、 一般病院の利益は0.9%と前年度に比べて大きく低下し、過去最低の水準となっています。(出典:2020年度 病院・診療所の経営状況(速報)

さらに、長引く新型コロナウイルス感染拡大の影響によって入院患者数が激減。国の補助金を活用することでなんとか黒字経営を維持している病院も少なくないのが現状です。

今回は、病院経営の仕組みを理解しながら、病院経営を左右する要因や厳しい状況を脱却するためのポイントを解説します。

まずは病院経営の仕組みを理解しよう

一口に病院経営といっても、「病院経営の責任を担うのは誰なのか」は、経営形態によって異なります。医療法人なら理事長、都道府県や市町村が運営する公立病院なら開設者という具合です。個人経営のクリニックの場合、院長が経営者としての責任を担っています。

病院経営の利益を左右する要因は大きく3つ

病院経営を悪化させる代表的な原因として、「人件費の増加」「病床稼働率の減少」「新型コロナウイルス感染症」の3つが挙げられます。

1.人件費の増加

利益に対する人件費率の割合が高いと、売上が落ち込んだ時に赤字に傾きやすくなります。令和3年、厚生労働省医政局委託が発表した「令和3年度 医療施設経営安定化推進事業 病院経営管理指標及び医療施設における未収金の実態に関する調査研究」を参考に見てみましょう。

(出典:令和3年度 医療施設経営安定化推進事業 病院経営管理指標及び医療施設における未収金の実態に関する調査研究

調査結果によると、一般病院の人件費率は58.8%となっており、前年よりも1.4%増えているのが現状です。医師や看護師が慢性的に長時間勤務せざるを得ない状況を変えるために人員を増やした結果、赤字に陥るケースは少なくありません。

2.病床稼働率の減少

病院経営を左右するもっとも重要な指標となっているのが、 病床稼働率です。病床稼働率とは、ベッドがどれくらい稼働しているかを示す割合。

病院経営を取り巻く環境― 1. 病院経営の鍵となる指標を見ると、病床稼働率の平均は80%強となっています。病床稼働率が平均値を下回った場合、病院経営は赤字に傾いてしまうのです。

病院は​​入院診療が収益の中心を担っていることから、病床稼働率=病院の利益に大きくかかわるため、病床稼働率を上げることが大切です。

3.新型コロナウイルス感染症の影響に伴う赤字

新型コロナウイルス感染症の影響で、感染拡大防止に伴う受診控えや予定入院の延期などで多くの病院が厳しい状況に追い込まれました。コロナ禍が落ち着き外来患者数は徐々に回復してはいるものの、入院患者数は以前と変わらない病院も多いようです。

医療・健康分野向けにITサービスを提供しているメディカル・データ・ビジョン株式会社が、公立病院を対象にアンケートを実施。「コロナ補助金がなくても、経常収支黒字を達成していますか」との問いに対し、厳しいと回答した病院は87%にのぼりました。

この結果から、多くの病院が新型コロナウイルスの影響で経営状態が悪化していることがわかります。

病院経営の厳しい状況を脱却するうえで大切なこと

「固定費の見直し」や「適切な人件費の設定」「患者数の確保」などを行うことで、厳しい病院経営を改善できる見込みがあります。具体的な内容について詳しく解説します。

固定費の削減

人件費を削る前に、まずは固定費の見直しを行いましょう。病院における代表的な固定費は、以下の通りです。(人件費は除く)

■材料費・・・医薬品費、診療材料費、給食材料費など
■経費・・・リース料、福利厚生費、旅費交通費、職員被服費、通信費、広告宣伝費
■委託費・・・検査委託費、給食委託費、清掃委託費、医事委託費、警備委託費など
■減価償却費・・・医療機器、情報システムなど

上記で挙げた固定費が収益に対して占める割合は、約35~45%。中でも医薬品は​​、使用頻度が低く高額なものを省いて在庫管理を徹底することで、大幅なコストカットが期待できます。薬剤の在庫・期限切れを防ぐためにも、必要なものを必要な分だけ購入し、在庫を抱えないようにするのが重要です。

人件費の算出ならびに適正化

経営状態を正しく把握したうえで、適切な人件費を設定しましょう。病院コストのなかで一番大きなウエイトを占めているのが人件費です。人手が足りず人員を増やした結果、当初に設定した人件費率をオーバーしていた……というケースは少なくありません。

人件費削減のポイントは、「残業時間の削減」「給与の見直し」の2つです。

1.残業時間の削減

人手が足りていない部門の人員を厚くすることで、従業員一人当たりの負担が減って業務を効率化できるため、残業時間を減らすことが可能です。繁忙期に合わせて人員配置を調整することも、残業時間の削減につながります。

2.給与の見直し

スキルや経験、年齢、ポジションに応じた適正な給与の見直しを行うのも有効です。給与を見直すことで社会保険料の節約にもなり、人件費の削減に役立ちます。ただし、事情や相談なしに給与の見直しを行うことだけは絶対に避けましょう。優秀な人材を手放してしまうリスクがあります。

患者数の確保

病院の経営回復には、固定費や人件費の見直しだけでは不十分で、患者数の確保が不可欠です。地域医療においては、外来を主とする診療所と入院を中心とする病院との連携が重要となります。これにより、患者数を確保し、効果的な医療提供が可能となります。

治療履歴、病状、検査結果などの情報共有を通じて、連携した治療計画を立案することが求められます。さらに、地域医療連携体制の整備を進めることで、診療所と病院間の役割分担が円滑に進むでしょう。具体的には、連携協定の締結、ネットワーク構築、情報交換会の開催などが効果的な手段となります。

病院経営における現代の動きとして統合もある

赤字経営を脱却する手段のひとつとして注目されているのが、病院M&Aです。M&Aの種類にもよりますが、既存スタッフの雇用を買収先でも継続できたり、最新医療設備の導入でより質の高い医療サービスを提供できたりさまざまなメリットがあります。

病院M&Aに関する詳しい内容については、下記の記事をご覧ください。

病院経営は表面的な課題だけではない。専門家に相談を!

病院経営のV字回復を狙うには、病院の経営が赤字になっている要因を洗い出し、改善するための対策を明確にしておくことが大切です。1人で抱え込まず、困ったら経験豊富な専門家に相談しましょう。

「病院経営に課題を感じているものの、どのように解決すればよいのかわからない」「どの病院経営コンサルティング会社にお願いすればよいかわからない」という方は、MMCがおすすめです。

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