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事業内容
運営・コンサルティング
2023-08-21

未来を見据えた病院経営はこれだ!これからのトレンドと戦略

病院を経営するなら、今後を見据えた長期的な経営戦略を立てることが大切です。

今の病院には何が求められているのか、患者に長期的に信頼してもらえる病院にするにはどうするべきか、具体的に検討して経営に落とし込みましょう。

今回は未来を見据えてどのように病院を経営していくべきなのか解説します。

今後も安定した病院経営を続けていきたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

病院経営の今後に影響する大切な7大要素

病院経営の今後を考えるうえで念頭におきたい7つの要素を紹介します。

経営力に優れた病院にはどのような要素が備わっているのか、具体的に解説します。

院長の役割とその重要性【リーダーシップ】

院長や経営陣にリーダーシップがなければ、従業員からの不信が募り離職率が上がってしまいます。

離職率が上がれば人事や求人にかかる経費が高まるだけでなく、患者にも不安を抱かせてしまうため、従業員が安心して働き続けられるリーダーシップを意識しましょう。

そのうえで経営者が大切にしたいのが、運営ビジョンを明確にすることです。

医療の世界では診療内容によって専門性や学ぶべきこと・大切にすべきことが異なるほか、優先すべき考え方も異なります。

そのため専門性の高い部分は現場に任せつつも、指標として病院の運営や経営において重視したいポイントを掲げることで、意見がまとまりやすくなるでしょう。

病院経営における運営ビジョンの例として、以下を紹介します。

◾️公立刈田綜合病院の例

・病院理念
思いやりのある良質で信頼される医療

・基本方針
安全で質の高い医療の提供
皆様の声に耳を傾け、丁寧で手際良い対応と充分な説明
地域の基幹病院として、他の医療機関との密接な連携の構築
出典:公立刈田綜合病院 理念・基本方針

運営ビジョンを掲げるうえで大切なことは、具体性を持たせ従業員の労働モチベーションの向上に繋がる内容を検討することです。

従業員が指標に向かってモチベーションを高く医療提供を行える病院体制を築くことは、従業員の離職率低下はもちろん患者の安心感にも繋がります。

大切にしたい指標を掲げ、その指標を達成するために病院全体で何ができるのかを周知させていくことで、従業員が一丸となってより良い病院を作りあげられるでしょう。

現場を牽引する“右腕”の存在とその役割【チームワーク】

当然ですが、病院経営は院長1人の力では成り立ちません。

病院の規模が大きくなればなるほど、医療従事者はもちろん事務や経理を担当するスタッフ、経営陣のマネジメントコストも増えていきます。

特に経営においては、病院の現場での考え方や働き方を正しく把握するため、経営陣に通じる右腕的な人員を多く確保することが求められるでしょう。

現場の状況や求められていることを明確に汲み取る力、課題を見つけだし解決する力、経営陣や現場の考えを客観的に検討する力など、より良い病院経営を目指すうえで必要な力はさまざまです。

だからこそ、それらの能力を持つ人員を経営陣の右腕に据えることで、チームで病院経営について検討していくことが求められます。

全スタッフが持つべき経営への意識と改革への熱意【経営意識】

今後も長く続く病院を経営するうえで求められるのは、現状維持ではなくより良い病院経営を目指すにはどうするべきかを、熱意を持って検討し続けることが求められます。

そのために大切にしたいのが、高い経営意識を病院全体に定着させていくことです。

経営陣はお金や病院の維持を、現場の医療従事者は目の前の患者だけを見続けていては、経営陣と現場の溝は深まるばかりです。

だからこそ経営やお金に関することは院長や経営に携わる人員だけが考えるのではなく、現場で働く医療従事者やスタッフにも周知させるなど、溝を埋めていく工夫を検討してください。

経営陣が現場に関して正しく把握することはもちろん、現場の従業員にも経営における現状や指標を共有することで、病院全体の経営意識を高めることがポイントです。

強靭な事務部門の形成【組織力】

病院経営は経営陣と現場の医療スタッフの2本柱ではありません。

従業員の人事労務、患者対応などを努める事務部門の形成も欠かせないため、組織力に目を向けることも大切です。

患者対応や来院予約の管理、従業員の人事労務に関する運営状況が安定していれば、経営陣や医療スタッフの業務における負担を大幅に減らせます。

業務における負担を減らすことができれば、より良い病院経営について検討する余裕も生まれ「問題を解決したいけれど時間の余裕がない」状況を回避することにも繋がるでしょう。

従業員との円滑な関係性【コミュニケーション】

経営陣と現場の考え方や意識の溝をなくすうえで大切にしたいのが、コミュニケーションです。

現場の労働環境や医療の現状を把握するだけでなく、今後病院をどのように運営していきたいのか、現場の従業員は病院経営についてどのように考えているのか意見交換する機会を持つことは欠かせません。

医療従事者をはじめ、現場で働く従業員にとって経営は専門外です。

だからこそ、今後も長く患者に信頼してもらえる病院を経営するにはどうしたいのか、どのような課題を解決する必要があるのか、周知させる必要があります。

また現場の意見を汲み取り、経営指標とのギャップを埋めていく方法を検討することも重要です。

従業員と経営陣は溝ができやすいからこそ、円滑に意見交換できる導線作りを検討してください。

持続的な成長のためのナレッジマネジメント【知識】

ナレッジマネジメントとは、組織内の知識やノウハウを最大限に活用するための戦略や手段を指す概念です。

医師や看護師などの医療スタッフが持つ専門知識や経験を組織全体で共有・活用することで、医療サービスの質向上を図ることが可能になります。

病院が提供する医療は非常に専門性が高く、同じ医療職や経営・事務分野でも、従業員を異動させると知識や技術をゼロから学んでもらう必要が出てくる場合も存在します。

個人が持っている暗黙知を形式知にすることで、従業員が異動したり、新たな従業員が入職する場合でも速やかにオンボーディングさせることが可能です。

専門性の高い従業員を病院内で多く育てられれば、業務環境が安定するだけでなく、患者からの満足度や信頼感の向上にも繋がります。

事務部門が持つべきフットワークの軽さ【行動力】

より良い病院経営において必要なことや、病院経営における課題は、刻一刻と変わり続けています。

病院内で起きる課題やトラブルはもちろん、社会情勢の変動、医療における需要の変化など、解決するべき問題は多く存在するでしょう。

それらの問題や課題をスピーディに解決するうえで必要なのが、事務部門の行動力です。

病院経営や患者対応に関する事務業務をスピーディに、かつ課題が発生したら臨機応変に対応し、すぐに収束させられる体制は病院経営において欠かせません。

そのために検討したいのが、スピーディな情報共有のシステム化と臨機応変な対応をすぐに把握し実行に移せる管理体制です。

課題やトラブルが起きても揺るがない病院の経営体制を整えられるよう、システム面からの業務体制の見直しも検討してみてください。

日本の医療機関が直面している現状と課題

日本の病院の経営状態について、2022年には医療機関の74.4%が赤字化しているとの報告があります。

赤字比率が7割を超えている状態は2020年より続いており、経営について具体的に検討していくことは非常に重要だといえます。

※参考:全日本病院協会|2022 年度 病院経営定期調査 -集計結果(概要)-

赤字経営が続く病院の実情

病院の赤字が深刻化している原因として、以下が挙げられます。

・賃金増加や物価高騰による経費の増大

・診療報酬のマイナス改定の慢性化

・新型コロナウイルス等による病床利用率の変動

病院で行われる保険適用の診療項目は、国により報酬額が決められており、経費がかかるからと病院側で料金を増額することはできません。

つまり限られた収入のなかから経費をやりくりすることが病院経営において重要なポイントです。

しかし2022年には診療報酬の改定や物価高騰などにより、経費が増大していることも現状です。

そのため病院経営を黒字化するには、経営戦略について慎重に検討することが求められています。

地域医療・介護ニーズの変化と対応

年月の移り変わりに伴い、医療現場に求められるものも移り変わりつつあります。

特に重要なのが、地域医療と介護ニーズの変化です。

地方では地域の過疎化が進んでおり、人口減少に伴い患者の流入数も減少傾向にあります。

さらに少子高齢化により医療の需要はもちろん、介護の需要も急増しており、介護部門での受け入れ体制について再考することも求められるでしょう。

病院のアクセスや流入を見込める地域での医療の需要を検討し、必要な病床数・診療科目に対応していくことが、今後の病院経営において必要です。

働き手の不足とその解消策

患者の高齢化同様、働き手となる医療スタッフの高齢化も慢性化しています。

高齢化が進めば勤続年数等により1人あたりの賃金を引き上げる必要があるほか、人員が不足し慢性的な人手不足に陥る場合もあります。

派遣や非常勤での採用も難しくなっている今、検討したいのが1人あたりの業務負担を減らすことです。

業務のシステム化・AI化を推進することで、煩雑になっていた業務を簡略化するほか、WEB予約システムを導入し事務スタッフの負担を減らすのも選択肢の1つです。

少子高齢化や働き手不足は今後も続くことが予測されるからこそ、業務効率化の面から人員不足を補うことも検討しましょう。

未来を見据えた今後の病院経営の道筋

少子高齢化や経費の増大、新型コロナウイルスの感染拡大など、病院経営における課題は年々増加傾向にあります。

収益を増やすには、これらの時代の移り変わりを正しく把握し、対応策を練っていくことが求められるでしょう。

そのうえで検討したいのが、以下の問題です。

・地域の過疎化や患者数減少に伴う病床数の見直し

・働き手不足を補う業務効率化やAIの導入

・高齢化に対応した介護福祉部門の強化

そのほか、今後の医療分野における需要をふまえた病院経営を考えることは非常に重要です。

また経営している一部の診療部門や医療法人で慢性的な赤字が続いているのであれば、M&Aも選択肢の1つです。

病院経営の新たな方向性

従来の病院経営では、病床数や診療項目の拡大を目標とする考え方が主流でしたが、近年では新たな方向性を掲げることが重視されています。

なかでも大切なことが、地域の医療に関するニーズを的確に汲み取り、運営に落とし込むことです。

地域の人口推移や平均年齢の変動、医療に関するニーズを将来的な部分まで具体的に検討し、ニーズに合わせた診療体制を築くことを目指せば、経費を削減しつつ必要な医療を届けることができます。

そのために、地域について深く知ることはもちろん、ニーズの分析ノウハウを持つ人材を確保することから検討するのも選択肢の1つです。

病院経営の今後の不安を払拭するならMMCにお任せください

病院経営において地域のニーズや経営する病院の課題や将来性を正しく汲み取ることは非常に重要です。

しかし、ニーズや将来性を正しく汲み取るには深い知識やノウハウが必要なため「どうすれば良いのかわからない」とお悩みの経営者もいるのではないでしょうか。

病院経営の課題や今後の不安を払拭するなら、ぜひMMCにご相談ください。

MMCでは、病院経営に関する知識とノウハウを豊富に備えたスタッフが、ご相談を受けた病院に直接赴いて病院経営における課題を洗い出し、解決策を提案いたします。

相談内容に応じて病院のM&Aや医療スタッフの紹介、介護事業のサポートなど幅広く解決策をご紹介しているため、経営不振から脱却する一助となるはずです。

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