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運営・コンサルティング 医療
2023-09-26

【病院経営の課題見直し】持続的な成功を目指すための経営分析の方法

病院は慢性的な赤字や経営難に悩まされる施設が増加傾向にあり、安定した経営を目指すためには経営における課題を洗い出し、対処していく必要があります。赤字化の原因や課題を解消し、持続的な経営を目指すにはどのような経営戦略を練る必要があるのでしょうか。

今回は、病院経営における課題とともに、黒字経営を維持するための実践的な戦略を紹介します。病院経営における基礎的な考え方から解説するため、病院経営にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

病院経営の直面する課題とは

病院経営には多くの課題がのしかかります。具体的な課題の内容や解決方法は、病院の立地や規模、タイミングによっても変わるため、まずは病院経営における課題の概要からご覧ください。

現代の医療業界の課題

現代の医療業界では、以下のような課題が存在します。

・診療報酬の改定による収益の厳格化

・物価高や燃料高騰による経費の増大

・感染症拡大に伴う設備拡充による経費の圧迫

・少子高齢化や過酷な労働環境による医療スタッフの減少

保険診療の治療費(診療報酬)は国により定められており、決まった額しか請求できません。しかし現在定められている診療報酬は病院側から見ると苦しい金額です。さらに物価高や感染症拡大に伴うパーテーションやアルコール消毒の追加設置など、経費は増え続けており、「限られた収益で増え続ける経費を賄わなければいけない」状況に陥っています。

さらに少子高齢化や苦しい経営状況による過酷な労働環境、上がらない給料などから医療スタッフの人数も減少傾向にあります。優秀な医療スタッフが離れていけば、労働環境はさらに過酷になるだけでなく、求人や雇用に掛かる経費も増えるでしょう。現代の医療業界は、あらゆる面に経営の課題があります。

中小規模の病院の課題は?

中小規模の病院では、以下のような課題が存在します。

・地域の過疎化による患者と医療スタッフの減少

・地域の高齢化による介護や在宅医療の需要増加

・新たな診療体制への対応の難航

中小規模の病院では、患者や医療スタッフの減少はさらに深刻化します。特に地方病院では地域の過疎化により患者・医療スタッフ両方が減少・高齢化し、患者数の減少や人件費の増加に悩まされています。また高齢化に伴い介護や在宅医療の需要が増えている一方で、人手不足や経費の増大から需要の高い新たな診療体制への対応が追いつかないことも課題の1つです。

また近年では保険証とマイナンバーカードの一体化推進をはじめ、国を上げて新たな診療体制への対応が推進されています。しかし増大する経費と難解なシステム導入に難航し、中小病院や地方病院のなかには閉院を決断する施設も存在します。

黒字化・黒字維持のための実践的経営戦略

病院の黒字化を目指すため、実践的な経営戦略を練りましょう。そのうえで考えたいこととして、財務と人材を適切に管理することが挙げられます。

財務管理のベストなやり方

病院経営を黒字化させるため、まずは病院で動くお金の動きや金額を正しく把握する必要があります。医業収益はいくらであるか、経費としていくら必要なのか適切に把握したうえで、課題を洗い出す必要があるでしょう。

特に病院経営では、収益減少と経費の増大いずれも経営における課題になりがちであるため、自病院ではどの課題が経営を圧迫しているのか検討したうえで、収益や経費が適正になるよう財務管理や経営戦略を検討していくことが大切です。

病院は理事長や院長として、経営のプロではなく医師を据えることがほとんどです。そのため財務管理や経営戦略の立て直しを行う際は、病院専門のコンサルタント会社や経営の専門家の力を借りるのも良いでしょう。

効果的な人材管理と教育

病院は慢性的に人手不足であったり、後継者育成やスタッフ教育に手が回らないことから、医療提供の質が落ちたり離職率の増加に繋がってしまう場合もあります。そのため病院経営の黒字化を目指すため、効率的な人材管理と教育が叶う戦略を立てるのも良いでしょう。

そのうえで検討したいこととして、ITシステムの導入が挙げられます。人材管理や教育、通常業務にITシステムを導入することで、データ管理や情報共有、患者の予約管理を自動化できます。IT技術により人材管理や通常業務の負担が減れば、医療提供や新人教育をはじめ人にしかできない業務に時間を割けます。

病院は限られた時間や収益で黒字経営を目指す必要があるからこそ、より効率的に人材管理やスタッフ教育ができる方法を導入し、従業員の生産性向上を目指しましょう。

システム導入での病院経営課題改善

人件費削減とスタッフの負担軽減のため、患者の診察予約やカルテ管理の効率化などに役立つシステム導入の検討がおすすめです。ただしITシステムは「ただ導入しただけで誰も使わない」状況にならないよう、効果的に導入する必要があります。

導入時の注意点

ITシステムを導入しても、使いづらく余計に業務が煩雑化したり、使い方が周知されておらず誰も使わなくなってしまっては意味がありません。そのため導入時は病院経営の改善に繋がるよう、注意点を守って効果的に取り入れることが大切です。

・自病院内でITシステムの導入により効率化できる業務は何か検討する

・多くの医療スタッフにとって使いやすいシステムを導入する

・導入と同時にスタッフに使い方を周知させる

患者や医療スタッフに高齢者が多い場合、ITシステムを導入しても使われなかったり、使い方がわからずかえって現場を混乱させてしまう恐れがあります。そのため使いやすいシステムであることはもちろん、導入と同時に使い方や導入目的を周知するなど、効果的にシステム導入を進めてください。

投資回収の期待値

病院の状況はそれぞれであるため、投資回収の期待値を具体的な金額で示すことはできません。しかしITシステムを導入すれば、以下の改善を期待できます。

・書類管理や情報共有などの人件費の削減

・紙や印刷代、書類管理スペースなどの経費削減

・業務効率化による医療スタッフの負担軽減

システム導入の際は、「導入して本当に経営難の解消に繋がるか」は慎重に検討する必要があります。特にスタッフの負担軽減をはじめ、WEBシステムの導入には数値化できないメリットも存在するため、システムへの投資目的は具体化し、導入によりどのような業務環境を目指したいのかを明確に周知しておくことも、大切なことです。

参考:厚生労働省|医療のIT化に係るコスト調査 報告書

近隣病院との差別化を図り患者に選ばれる病院へ

近隣に同じようなサービスや診療項目、満足度の病院があれば、患者は分散し収益の低下に繋がってしまいます。もちろん近隣の病院や診療所同士での連携は非常に大切ですが、患者の取り合いにならないよう、近隣病院と差別化して強みをアピールできる病院を目指しましょう。

サービスの質を高めるアプローチ

診療科目に目立った特徴はなくても、医療スタッフのアプローチや対応が丁寧であれば、患者の満足度は上がります。自分の担当医として「今後もこの病院に罹りたい」と思ってもらえる病院を目指すため、サービスの質を高めることで病院の強みを伸ばしていくこともおすすめです。

そのためには病院の方針として、医療サービスの充実を掲げて従業員に患者の満足度を大切にするよう周知する必要があります。また具体的なアプローチとして、医療スタッフが患者のフォローやサポートに時間をかけられるよう、業務の負担を減らすのも選択肢の1つです。

地域社会との連携の強化

地域社会や近隣の病院との連携を強化し、「地域になくてはならない病院」として確立することも、患者に選ばれる病院を目指すうえで大切です。そのためにできることとして、以下が挙げられます。

・患者との積極的なコミュニケーション

・地域で需要の高い診療科目や医療提供に対応

・周辺病院との連携体制による病院間の紹介制度の強化

・人件費や労働環境の適正化による離職率の低下

患者と積極的にコミュニケーションを取ったり、必要な診療科目に対応することは重要です。また患者が「この先生に診てもらいたい」と信頼を寄せる医師が労働環境を理由に離職しないよう、労働環境を適正化することも、連携強化に繋がります。患者に長く利用してもらえる病院を目指すためにも、地域や患者と連携を強化しながら病院経営を目指しましょう。

MMCで経営改善施策を相談できる

病院経営における課題は経費の増大や収益の低下、人手不足などさまざま挙げられます。そのため病院経営の黒字化を目指すなら、経営における課題を洗い出し、課題解消のため具体的なアプローチを実行することが大切です。しかし、病院のなかには経営においていくつもの課題がのしかかり、「課題を解消したくてもできない」とお悩みの経営者もいるのではないでしょうか。

MMCでは、病院経営における独自のノウハウを持つスタッフが相談いただいた病院に直接赴き、具体的な経営の立て直し案を提案します。課題を解消し黒字経営を実現するまでの過程も丁寧にサポートするため、病院経営にお悩みの方はぜひご相談ください。

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