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2024-02-14

クリニック継承時にスタッフの雇用問題を考える【引き継ぎや採用・継続雇用】

クリニック継承において、スタッフの雇用を継続することにはさまざまなメリットがあります。しかしスタッフの継続雇用は現実的に不可能な場合や解消するべき課題も多く、クリニックを継承する側とさせる側で慎重に交渉しなければいけません。

当記事では、クリニック継承におけるスタッフの雇用問題について解説します。継続して雇用することが適切か、トラブル解決のため何をするべきなのか解説しているため、クリニック継承を検討している方はぜひ参考にしてください。

クリニック継承時のスタッフの雇用に関する対応

クリニックを継承して別の医療法人や医師にクリニックの運営を任せる場合、スタッフの雇用問題について具体的に検討する必要があります。まずは医療法人の運営形態ごとに、スタッフの雇用対応についてご覧ください。

個人クリニックの場合

個人クリニックの場合、運営主体が変わるため、雇用を引き継ぐかどうかは任意で決められます。継承した事業者とスタッフが継続して勤務することに合意した場合は、スタッフの雇用を継承できます。

なお個人クリニックを継承する場合、雇用契約も新たに締結する必要があるため、注意が必要です。スタッフの労働環境は変わらなくても手続きに関する通知や対応が必要な場合があるため、双方に誤解の無いよう手続きを進めましょう。

医療法人の場合

医療法人においても、継承の方法は大きく2つに分かれます。1つ目は医療法人自体の継承、2つ目は医療法人としては継承せず、事業だけを継承するケースです。事業を継承する場合には、経営を担う主体が新たな法人へと移行するため、個人クリニックの場合と基本的に同じ考え方になります。

医療法人を継承する場合、同体制の雇用条件や給与形態でスタッフの雇用を引き継げます。もちろん継承にあたって雇用契約やスタッフの労働体制を刷新したい場合は、継承に伴い雇用契約や給与体制の見直しや変更を検討できます。

ただし給与体制の変更については、スタッフにその旨を通知し同意を得たうえで、労働基準監督署に届け出ることも必要です。契約内容が法的に問題がなかったとしても、スタッフの同意を得られなければ離職につながる恐れもあるため、雇用契約や給与体制の変更は慎重な見直しと説明を怠らないようにしましょう。

スタッフを継続雇用させるメリット

クリニック継承にあたってスタッフを継続雇用させるメリットとして、安定した医療提供を目指せることが挙げられます。ここではスタッフを継続雇用させるメリットを、2つのポイントで解説します。

既に出来上がっている地域基盤で運用ができる

クリニック継承すれば、すでに患者が付いているクリニックの運営をそのまま継承できます。クリニック運営ではスタッフの対応や地域での知名度、周辺医療機関との連携が、患者のリピート率やクリニックそのものの評判に直結するため、スタッフの労働基盤や地域との連携体制ができあがっていることは大きなメリットです。

「この地域でクリニックに行くならここ」と患者に認知されたクリニックとして基盤を築いていれば、長期的な病院運営を目指せるでしょう。

短期間での経営の安定化が図れる

安定したクリニック運営を目指すには、患者との信頼関係はもちろん周辺の医療法人やクリニックとの連携、取引先や患者の情報に精通することも欠かせません。クリニック継承してスタッフの雇用も継続できれば、地域医療や患者の特徴を知り尽くしたスタッフによる医療提供を実現できます。

周辺クリニックや取引先との連携もできあがっているため、円滑なクリニック経営に継承当初から着手でき、短期間で安定した病院の経営体制を築けるでしょう。

スタッフが継続雇用されないのはどんな時か

クリニック継承ではスタッフの雇用を継続し、安定した経営基盤を維持することが望ましいですが、継承内容やクリニックの運営体制によっては、スタッフ継承が叶わない場合もあります。スタッフが継続雇用されないケースについて、3つ紹介します。

スタッフから退職を申し出された時

雇用契約を結ぶ以上、スタッフに退職を申し出られることはクリニック継承の有無にかかわらず起きうることです。本人のライフスタイルの変化やキャリアチェンジなど、理由はさまざまです。

ただしなかには、クリニック継承に伴う労働環境の変化を理由に、退職を申し出られる場合もあります。

・雇用契約などの変更内容における説明不足

・病院の運営方針や新経営陣の考え方との相違

・継承を機に増員したスタッフとの不和

ときには雇用継続できるはずだったスタッフが、クリニック継承後1年を待たずに退職してしまう恐れもあるため、注意が必要です。クリニック継承を理由に退職を申し出られないよう、社会保険労務士など専門家も交えて慎重に話し合う必要があるでしょう。

労働条件や給料の交渉が原因の時

クリニック継承に伴う労働条件や給料交渉を理由に、スタッフから退職を申し出られる場合もあります。継承に伴い労働条件や給料体制について見直し改善していくことは、経営再建やより良いクリニック運営において非常に大切です。

しかし改善内容にスタッフが納得してくれるとは限りません。ときには変更点に納得できずに退職してしまう場合もあるため、慎重な話し合いが必要です。相談内容によっては退職を認めたり、労働条件や給料体制の変更について見直しを検討する必要もあるでしょう。

継承者にとって好ましくないと思った時

クリニック継承に際して、経営陣の方からスタッフを解雇する場合もあります。その理由として、以下が挙げられます。

・勤務態度が悪く注意しても改善が見られないため

・患者やほかのスタッフの評判が悪いため

勤務態度が悪く、患者やほかのスタッフからの評判が悪いスタッフは、クリニック継承を機に退職金を支払い退職してもらうのも選択肢の1つです。過去のクリニック継承事例のなかにも、継承にあたり前院長から退職金を支払い退職してもらったものもあります。

もちろんスタッフの退職はそう簡単に決断してはいけない問題です。しかし雇用を継続するリスクも照らし合わせたうえで、専門家や新旧経営陣間でよく話し合って決断することが大切です。

スタッフの継続雇用で気を付けるべき点

スタッフの継続雇用において、注意するべき点が2つ挙げられます。ここではスタッフの継続雇用において知っておきたいポイントについて、詳しくご覧ください。

新体制での経営方針の再確認

クリニック継承の目処がたち、スタッフの雇用契約や給料体制の見直しも済んだら、改めて新体制での経営方針について、クリニック全体で再確認しましょう。スタッフの仕事に直結する労働条件や給料体制はもちろん、経営方針についてもスタッフと共通の認識を持っておく必要があります。

医療における考え方や診療科目、病床数の増減など、経営方針の変更はスタッフの仕事内容に直結するため、認識の相違や意見の食い違いが出ないよう、スタッフとも慎重に話し合っておきましょう。

スタッフへの再度の教育

より良い医療提供を実現するため、スタッフ教育について刷新することが大切です。需要に合わせた医療を提供するにはどのような知識や対応が必要なのか、具体的に検討したうえでスタッフにキャリアアップの機会を提供しましょう。

ただし教育内容が膨大であったり、地域患者が求めている医療との相違があれば、スタッフの不信感を高める原因にもなるため注意が必要です。スタッフ教育を進める際は、地域での医療需要や患者の特徴について、念入りにリサーチしたうえで進めてください。

クリニック継承時のスタッフに関するお悩みや疑問はMMCへ

クリニック継承では、スタッフの継続雇用についても具体的に検討しなければいけません。スタッフを継続雇用すれば、すでにできあがった運営基盤ですぐに安定したクリニック経営を目指せます。

ただし継承に伴いスタッフは労働環境の変化に不安を覚えて退職してしまうリスクもあるため、慎重に話し合ってスタッフの同意を得ることが大切です。MMCでは医療現場のM&Aに詳しいスタッフが、現地に赴いてクリニック継承における交渉から経営再建まで幅広くアドバイスしています。

クリニック継承やスタッフの継続雇用、教育体制の刷新にお悩みの方は、ぜひメールフォームからご相談ください。

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