病院の黒字経営を目指すため収益を上げるなら、集客戦略を立てて運営していくことが大切です。
集客が十分でなければ、医療機関としての運営体制を万全に整えても患者が現れず、経営が成り立たない恐れがあります。
しかし戦略的に病院経営し、集客を見込めるようになれば、患者に長く病院を利用してもらえます。
病院の集客戦略を立てることは長期的な病院経営においても大切なことです。ポイントを押さえて効果的に集客しましょう。
今回は病院経営における集客の重要性と、集客を成功させる効果的な方法6つを解説いたします。
病院経営において集客は重要です。集客のポイントとして、以下が挙げられます。
・来院してもらうためにまずは自院の認知度を上げること
・収益性を高めるために長期利用してもらうこと
・利用しやすさを追求し、口コミや紹介で広めていくこと
どれだけ医師の腕が良く設備も充実した病院であっても、患者に知られていなければ来院してもらえません。
病院は地域に欠かせない機関である一方で、患者がいなければ経営は成り立たないため、集客戦略を立てて新規患者を増やしていくことが大切です。
もちろん新規患者を増やすだけではいけません。
新規患者が来院しても、また利用したいと思える病院でなければ、転院を検討され継続的に来院してもらうことは難しいでしょう。
そのため患者にとって利用しやすい病院を目指すことも、集客戦略の一環です。
長期的に利用してもらえるだけでなく、SNSの口コミとして広めてもらえたり、家族や知人を紹介してもらえる可能性も高まります。
特に診療項目が限定的な病院では、SNSや口コミによる集客の比重はさらに増すでしょう。
病院の効果的な集客戦略について考え経営に取り入れることは、長期的な病院運営や利用者の拡大において、非常に重要なことだといえます。
病院経営において集客は非常に重要ですが、戦略的に進めなければ患者を増やすことはできません。
特に「集客しているにもかかわらず患者が増えない」とお悩みなら、以下の項目を見直してみてください。
・地域の医療機関との連携が取れていない
・病院の存在が認知されていない
・WEBやSNSで検索しても病院の情報が出てこない
・SNSや口コミでの評価が低い
・WEBサイトの信頼性が低い
・WEBでの来院予約等に対応していない
病院運営においては地域の周辺医療機関(診療所やクリニック)との連携も欠かせません。
診療項目や医療における対応内容が異なる医療機関同士で連携し、患者により良い医療を提供できれば、相互に患者数を増やせるだけでなく患者の満足度や信頼度も高まります。
また、設備や診察内容に問題がなくても、患者に知られていなければ来院してもらえません。
特に若い層の利用者はWEBやSNSで病院を検索・予約する方が多いため、インターネット上での集客戦略は非常に重要です。
検索しても病院の情報が出てこなかったり、SNSなどでの口コミ評価が低ければ、利用してもらえないでしょう。
そのため病院を運営する際は、地域の医療機関との連携体制を構築するだけでなく、患者に対する広報戦略も必要なことだといえます。
病院の集客を成功させるなら、効率的な集客方法を経営に落とし込むことが大切です。
以下では病院集客を成功させるなら検討したい、効果的な集客方法を6つご紹介いたします。
病院や診療所はそれぞれに強みや運営方針が異なります。
そこで地域の医療機関がそれぞれに強みを活かせるよう、病院と診療所・クリニックで連携し患者により良い医療を提供できる体制を築くことも大切です。
患者の診察結果に応じて、より良い医療を提供できるよう他病院を紹介できる仕組みを作るほか、患者の容態や診察結果をすぐに共有できるネットワークを構築するなど、連携方法にはさまざまな手段があります。
地域の医療機関と連携することは、患者の信頼感や満足度を高めることにも繋がるため、連携体制を構築することについても検討してみてください。
病院の集客を成功させるなら、患者に「この病院を利用したい」と思ってもらえるようブランディングをする必要があります。
ブランディングのためにできることをまとめてご覧ください。
・病院のWEBサイトやSNSを運営する
・口コミによって病院や医師・看護師の評判を上げる
・病院の設備や治療技術などの強みを具体的に押し出す
病院の検索や予約にインターネットを使う方は急増しています。
そのため病院のWEBサイトやSNSを公開し、病院の存在を広く広報することから始めましょう。
ポイントは、ほかの病院と差別化し、患者に「利用したい」と思ってもらえるように、わかりやすく広報することです。
病院の利用しやすさや強みを写真や動画を交えながらWEBサイト上で公開することで、病院の特色を広く伝えられます。
病院は「安心して利用できること」も重要であるため、信頼性の高いPR活動を意識することが大切です。
信頼性を高めるためにまず行いたいのが、薬機法や医療広告ガイドラインを遵守した掲載内容です。
医療行為は患者の安全を守るため、広告の記載内容や文言について厳正な取り決めがあります。
なかでも注意したい広告内容として、以下が挙げられます。
・虚偽の強みやアピールを打ち出す
・医療行為による効果や効能をアピールする
・ほかの病院や医療行為との比較を行う
・料金や診察内容に関するキャンペーンを打ち出す
医療広告の取り決めを守ることは、規制や非公開の対象とならないためにはもちろん、患者の信頼を高めるうえでも重要なことです。
医療広告ガイドラインや薬機法のルールについては、厚生労働省から公開されているため、集客のためWEBサイトを公開する際は、必ず確認してください。
参照:厚生労働省|医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
SEOとは、ブラウザ上で検索した際に特定のキーワードで検索上位に表示されるよう、WEBサイトに公開するテキストや運用方法を工夫することを指します。
病院はWEB上で検索されることも多く、検索上位に表示されれば、患者からの認知度を向上させるうえで効果を期待できます。
ブラウザ検索において、利用者の20%は検索上位10位以内のWEBサイトにアクセスしているとされており、WEBサイトへのアクセス流入を増やすうえでSEO対策は重要です。
特に病院の場合、診療項目と地名の組み合わせで検索上位に表示されれば、サイトへの流入を目指せるでしょう。
ただしSEO対策は非常にルールが複雑なだけでなく、表示ルールが頻繁に変更されているため、対策が難しい側面もあります。
そのためSEO対策する際は、SEO対策や検索エンジンの仕組みを深く理解したうえで対策することが大切です。
インターネットを介した情報収集の方法として、検索エンジンを利用するほかSNSでの検索を利用する方も増えています。
特に10代〜20代の層では、SNS検索を頻繁に行う方も多いため、SNSを活用したコンテンツマーケティングに力を入れるのもおすすめです。
SNSにおけるマーケティングモデルはSIPSと呼ばれ、病院の集客に留まらず、広く注目されています。
SIPSは「共感→確認→参加→共有拡散」の4つの流れによる消費行動を指し、SNS上での広報と実際の消費行動で完結させられることが特徴です。
病院経営においてはSNSでの広報から来院や診察に繋げ、さらに患者が病院を利用した感想や口コミを投稿し、患者の投稿を見たほかの見込み客の興味や利用へと繋がっていくため、広く病院を広報できます。
さらに診察やカウンセリングのWEB予約の受付窓口への導線を作れば、認知から患者の流入までWEB上で完結させられるでしょう。
ただしSNS投稿についても、薬機法や医療広告ガイドラインを遵守した広報が求められるため、ルールに則ったSNS集客を心がけましょう。
WEBサイトやSNS運用での集客戦略により新規患者が増えても、病院内での対応や診察内容に問題があれば、2度目以降の来院には繋がりません。
病院は患者に知ってもらい、長く利用してもらうことも集客において重要なため、患者にとって利用しやすい病院であるよう体制を見直しましょう。
患者が「利用しやすい」「また利用したい」と思える病院であれば、病院のエンゲージメント(愛着心)を強化できます。
患者にとって良い病院であれば、患者のリピート率の向上だけでなく、家族や知人を紹介してもらうことにも繋がり、さらなる集客も見込めます。
病院集客における成功事例として、ある地方病院の事例を紹介します。
地方都市に位置する病院Aは、新規患者数が増えず、集客に難航していました。
患者数が増えない原因はその立地で、駅から徒歩で利用することは難しい立地にあったため、敷地内に設置した看板だけでは周知が進まなかったことが課題でした。
そこで、WEBサイトを一新しSEO対策を強化、さらにSNSアカウントを開設しこまめに投稿してWEB予約への導線を作成したところ、1ヶ月あたりの新規患者数が増加。
担当医として利用する患者数も増え、コンテンツマーケティングによる集客は成功したといえます。
病院の集客は、地域の医療機関との連携体制の構築とWEB媒体をはじめとした時代に即した集客方法の導入が重要です。
特に病院は新規患者を増やすだけでなく、担当医として長く利用してもらうことも大切です。
そのため新規患者の獲得と患者のリピート率向上の2つの柱で集客力を高める必要があります。
MMCコンサルティングでは独自のノウハウにより病院経営の見直しを行うことで、集客力をはじめ病院経営における課題を広く検討し、集客戦略の提案を行っています。
当社のメンバーが依頼を受けた病院に駐在し運営に直に携わりながら、検討するべき課題や具体的な集客案を提案するため、集客の伸び悩みを感じている方は、ぜひMMCコンサルティングにご相談ください。